アプライドマテリアルズ新しいウェーハ製造プラットフォームVistara™を発表、チップ製造課題への取り組 みを支援


報道資料
2023年7月13日
(日本時間)

  • フレキシビリティ:アプライドマテリアルズが十数年ぶりに投入する新プラットフォームは、アプライドマテリアルズやパートナー企業が提供する多様な種類、サイズ、構成のチャンバを搭載可能
  • インテリジェンス:オンボードセンサから大量のデータをアプライドマテリアルズのAIx ™ソフトウェアプラットフォームに供給することで、R&Dの加速、市場投入までの期間短縮、量産におけるアウトプットと歩留まりの最大化を実現
  • サステナビリティ:半導体メーカーのサステナビリティ目標達成支援を念頭に、ファブにおけるエネルギー、化学物質、建材の消費を低減すべく設計された初のプラットフォーム

アプライドマテリアルズ(Applied Materials, Inc., Nasdaq:AMAT、本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEOゲイリー・E・ディッカーソン)は7月11日(現地時間)、十数年ぶりの大きなイノベーションとなるウェーハ製造プラットフォームVistara™を発表しました。これは、増大するチップ製造課題に取り組む半導体メーカーにフレキシビリティ、インテリジェンス、サステナビリティをもたらすべく設計された革新的なプラットフォームです。

Vistaraプラットフォームは、アプライドマテリアルズが半導体製造プラットフォームで長年リーダーシップを発揮してきた実績に基づくもので、既存のEndura®、Producer®、Centura®、Centris®はいずれも世界中のファブに導入され、ほぼ全てのチップ製造に使われています。Vistaraは4年以上をかけて開発され、社内のハードウェア、ソフトウェア、プロセス技術、環境効率デザインの各チームから数百人のエンジニアがこれに携わっています。

アプライドマテリアルズのセミコンダクタプロダクトグループプレジデント、プラブー・ラジャ(Prabu Raja)は、次のように述べています。「Vistaraは従来機と同様、長年にわたりお客さまにイノベーション、信頼性、生産性を提供できるプラットフォームとして設計されています。半導体業界では今、チップ製造に関する複雑さ、コスト、開発期間、カーボン排出といった課題が増大しつつあり、これに対応するユニークなソリューションが求められています。Vistaraの投入はまさにタイムリーといえます」

フレキシビリティ

Vistaraの比類ないフレキシビリティは、複雑さが増している先進的チップ製造の課題に取り組む半導体メーカーの力強い味方となります。Vistaraは、アプライドマテリアルズやパートナー企業が提供するきわめて広範な種類、サイズ、構成のチャンバを搭載することができます。ウェーハバッチロードポート数は4ないし6、プロセスチャンバ数は最小4から最大12までの構成が可能で、多様な ワークロードに対応します。原子層堆積(ALD)や化学気相成長(CVD)などで使われる小型チャンバ、エピタキシーやエッチング用の大型チャンバのいずれも搭載可能です。これらのチャンバを組み合わせ、真空下の同一システム内で一連のウェーハ製造プロセスを完了させるIMS™(Integrated Materials Solution®)レシピ   の開発が可能となります。Vistaraのフレキシビリティにより、半導体メーカーはこれまで不可能だったIMSテクノロジーの組み合わせができるようになり、革新的なトランジスタ、メモリ、配線などを実現して性能と消費電力を改善するとともに、歩留まりを低下させるパーティクルや欠陥を防ぐことができます。

インテリジェンス

Vistaraプラットフォームは、市場投入までの期間を短縮して量産における生産性と歩留まりを最大化するインテリジェンスを備え、お客さまが開発期間とコストの増大という課題に対応できるよう支援します。Vistaraに組み込まれた数千個ものセンサは、大量のリアルタイムデータをアプライドマテリアルズのAIx ™ソフトウェアプラットフォームに供給し、R&Dからプロセスの移行と立ち上げ、量産に至る幅広いアプリケーションをサポートします。数千ものプロセス変数の中から実行性のあるデータが抽出されるので、エンジニアは機械学習とAIの力を活用し、チップの性能や消費電力をベストに高めてプロセスウィンドウを最大に広げるレシピを迅速に作成することができます。プラットフォームの随所にインテリジェンスが組み込まれています。たとえばファクトリインターフェースモジュールでは、ロードロックをインテリジェントに制御して吸排気時間を最適化することにより、パーティクルと欠陥を低減して歩留まりが最大になるよう支援します。プラットフォームロボットの自動調整により 、立ち上げ時間が最大で75%短縮します。生産時には、Vistaraプラットフォームがコンポーネントを常時、監視・調整することにより、手動での処理を最小限に抑えて連続稼働時間を最大化するとともに、必要な保守を予測します。

サステナビリティ

半導体プロセスの複雑さやステップ数が増すにつれ、ウェーハ生産にはより多くのエネルギーや材料が必要となります。アプライドマテリアルズは、等価エネルギー消費量、化学物質の使用による影響、クリーンルーム面積要件の3つを2030年までに30%低減する、という3x30イニシアティブを推進していますが、Vistaraはその推進を念頭に置いて設計された初のプラットフォームです。Vistaraではガスパネルの設計を一から見直し、従来の設計に比べて等価エネルギー消費を50%以上削減したほか、ポンプ、熱交換器、冷却装置などエネルギーを大量に消費するサブファブコンポーネントの利用方法を最適化しました。これらの改善によって、プラットフォームのエネルギー消費は従来のプラットフォームに比べて35%も低くなり、半導体メーカーはスコープ1および2の排出量を低減することができます。このほかVistaraはクリーンルームの占有面積も30%縮小しています。こうした節減により、お客さまはより小さい施設でより多くのウェーハを生産することができ、コンクリートや鉄鋼といった炭素集約度の高い建材の使用も削減できます。こうした建材使用を30%減らすことにより、ウェーハ投入量10万枚/月のファブ1カ所につき100万トンの炭素排出を節減できる可能性があります。

EcoTwin™ソフトウェアの投入

アプライドマテリアルズはさらに、環境効率化ソフトウェアEcoTwinを投入します。これはまずはVistaraプラットフォームと合わせた使用が可能です。EcoTwinはセンサからのデータを使って、チャンバ、装置、サブファブコンポーネントにおけるエネルギーと化学物質の消費量をリアルタイムで監視します。プロセスエンジニアはEcoTwinのダッシュボードを使って、代替となる化学物質やレシピ、生産技法を用いた場合の炭素排出の影響を比較し、ノード寿命全体を通じて継続的なサステナビリティ改善を図るとともに、サステナビリティ目標への進捗状況を追跡・報告することができます。

提供時期

最初のVistaraプラットフォームは、主要メモリメーカー各社のエッチングアプリケーション用に出荷されています。世界的な半導体需要の伸びに対応してウェーハファブ装置業界の成長が見込まれるため、アプライドマテリアルズは自社の主要プラットフォーム全てにおいて出荷台数が伸びると予想しています。

将来予想に関する記述について

本プレスリリースには、当社の新たな製品やテクノロジーから期待されるベネフィット、当社の事業や市場の成長予測とトレンド、業界見通しと需要拡大要因、テクノロジーの遷移など、将来の見通しに関する記述や、過去の事実には該当しないその他の記述が含まれています。こうした記述やその前提をなす仮定はリスクや不確定要素に左右され、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。こうした記述が明示ないし黙示する帰結と実際の結果の間に大きな違いをもたらし得る要因としては、当社の新たな製品およびテクノロジーから期待されるベネフィットの不実現;半導体への需要;技術や生産設備に対する取引先企業のニーズ;新たな革新的テクノロジーの導入とテクノロジー移行のタイミング;既存ならびに新開発の製品に対する市場の受容性;当社がテクノロジーに関する知的財産権を取得ならびに保護する能力;適用される環境関連その他の法律、規則、規制の遵守を当社が確保する能力;当社が証券取引委員会(SEC)に提出する書類(最新のForm 10-Qおよび8-K報告書を含む)に記載しているその他のリスクや不確定要素などがあります。将来の見通しに関する記述は全て本プレスリリース発表時点における経営陣の推定、予測、仮定に基づくものです。アプライドマテリアルズは将来の見通しに関する記述を更新する義務を負っておりません。

アプライドマテリアルズ(Nasdaq: AMAT)は、マテリアルズエンジニアリングのソリューションを提供するリーダーとして、世界中のほぼ全ての半導体チップや先進ディスプレイの製造に寄与します。原子レベルのマテリアル制御を産業規模で実現する専門知識により、お客さまが可能性を現実に変えるのを支援します。アプライドマテリアルズはイノベーションを通じてよりよい未来を可能にします。

詳しい情報はホームページwww.appliedmaterials.com でもご覧いただけます。

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このリリースは7月11日、米国においてアプライドマテリアルズが行った英文プレスリリースをアプライドマテリアルズジャパン株式会社が翻訳の上、発表するものです。

アプライドマテリアルズジャパン株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:中尾均)は1979年10月に設立。大阪支店、川崎オフィスのほか15のサービスセンターを置き、日本の顧客へのサポート体制を整えています。

このリリースに関するお問い合わせは下記へメールにてご連絡をお願いいたします。アプライドマテリアルズジャパン株式会社広報宛メール  Applied_Materials_Japan@amat.comホームページ:  www.appliedmaterials.com/ja